最近観た映画 <小難しい版>
今週は2本映画を観ました。
華氏451
1966年 フランソワ・トリュフォー監督
SF小説家では有名中の有名なレイ・ブラッドベリの小説が原作です。
本が今で言うドラッグのように禁止された未来で、本を取り締まり燃やす消防士が主人公のSF映画です。
トリュフォーはヌーヴェルヴァーグと呼ばれた監督の一人で、始まってすぐの電話をかけるシーンの声に合わせてズームするカットにそれが現れていると思います。
この映画の中では「普通の人」である大衆と、普通でない人を法で取り締まる光景が描かれています。風刺として表現しているのだと思いますが、髪の伸びた青年を無理矢理散髪するシーンは少し昔の日本のようだと思いました。
テレビを鵜呑みにする大衆に加え、本に傾倒する人々に対しても、カルト的な気持ち悪さを感じてしまいました。
恐るべき子供たち
1949年 ジャン・メルヴィル監督
フランスのジャン・コクトーの小説が原作で、本人がナレーションの声を当てています。
とある姉弟とその友人の人間関係を描いた作品です。ここでいう「子供たち」とは未成年のことを指しているのですが、役者は成人しています。血の繋がりを超えた恋愛感情を扱うことさえこの時代では前衛的だったので、流石に未成年に演じさせるわけにはいかなかったのでしょう。
今の映画と比べると展開が早く、ナレーションも解説文と言うより詩的な表現なので、巻き戻しながら観ました。作中に出てくる少年と、彼にそっくりな女性を同じ役者が演じていたと言うことには驚きました。少年にしか見えなかったので・・・
守ろうとしていなくともこう背に伝わっていく作品は名作ばかりなので、時間を忘れるくらい楽しめます。古い映画は役者本人をあまり知らないので、役柄に集中して観ることができていいですね。